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「無事帰国」願い合掌/1月18日

鉄塔に登ってアンテナのチェックをする菅原仁隊員
photo0118-05.jpg ※画像クリックで拡大表示

 1月18日・昭和基地→西オングル島→昭和基地 50年の南極観測の歴史の中で、観測隊員唯一の死亡者が、第4次越冬隊員の福島紳さん(享年30)です。

 今日は福島さんの遺体が発見された場所と、荼毘(だび)に付された場所に立つケルンに行ってきました。東オングル島の昭和基地から約5キロ、海氷でつながった西オングル島です。多目的アンテナ担当の菅原仁隊員と宙空グループの作業取材の合間に、第47次隊宙空担当の山本道成隊員に案内してもらいました。

 60年10月10日、昭和基地がブリザードに見舞われる中、子犬の世話をするため外に出た福島さんと同僚隊員はすぐに視界を失い、同僚が振り向くとすでに福島さんの姿が消えていたということです。全力で捜索が行われましたが、遺体が発見されたのは8年後の68年2月9日。ブリザードの中、風下に向かって歩いてたどり着いたのか、亡くなった後、風に流されてしまったのか真相は分かりません。

 荼毘に付された地点にあるケルンからは、昭和基地が見通せました。雲は広がっていましたが、穏やかな天気。こんな天気だと、視界を失うほどのブリザードの想像がつかないほどでした。山本隊員が用意してきた線香を供え、手を合わせ「隊員が全員無事で帰国できるように見守っていてください」と心の中で。ここに来る隊員はみな、同じように手を合わせるのだろうと思います。自分に近い年齢の隊員の、志半ばにしての不慮の死を思うと、もっと頑張らねばという思いにもなりました。

 さて、宙空グループが昨日設置したという風力発電。約4メートルの鉄塔に、地面に対して水平に回る円筒形の風車が付いています。風車といえば、プロペラ形のものしか見たことがなく、大きな空き缶を切り開いたみたいな形の風車はちょっとおもしろかったです。西オングルでは、宇宙雑音とか銀河雑音(すごい名前だ)と呼ばれる電波を観測していて、そのデータは、月に1回の交換が必要なバッテリーを使って送っていました。もし、この風力発電がうまくいけば、バッテリー交換の必要がなくなるそうです。いやはや、いろんな観測があるもんだ。

 連日の高所作業続きなのは、多目的アンテナ担当の菅原隊員。基地では大型パラボラアンテナや、アンテナを覆うドームのメンテナンスを行っていたかと思えば、今日は15メートルの鉄塔に登って、アンテナのチェックです。下から「ご安全に!」(定番のか掛け声です)と声を掛け、ちょっとどきどきしながら見守りました。無事に降りてきた菅原隊員と話をしていて、日曜日から私が行くボツンヌーテンという内陸の岩山の話題になりました。「無茶しちゃだめだよ」という言葉がちょっとうれしく、隊員同士が心配し合う気持ちが自然に生まれているこの環境のことを思い、そしてまた、福島さんのことを思いました。どうか、みなが無事に元気で帰国できますように。南極に来て約1カ月。そして南極を離れるまであと1カ月。今日はつくづく、こんな気持ちになりました。

[2007年01月18日 04時11分]


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